大村家住宅復元完了 有料貸し出しへ
神山町にある国の有形文化財(建造物)で、名誉市民の大村智博士の生家「大村家住宅」の解体修理・復元工事が3月20日に完了し、4月1日からコミュニティースペースとしての貸し出しが始まった。(写真)
大村家住宅は1907年に建築された母屋と1916年建築の土蔵。敷地面積は約600平方㍍で、延べ床面積は約250平方㍍。2019年に国の有形文化財に登録され、翌年4月に大村博士が建物のみを韮崎市に寄付した。
母屋は1985年頃から大村博士が「蛍雪寮」と名付けて北里大学研究室の学生を集めた勉強会で利用したり、地域のコミュニティースペースとして市民に開放していたが、近年、経年による老朽化が進んできたことから、建物を後世に継承・保存するため、昨年4月から土蔵を含めた解体修理・復元工事を始めた。
完成した母屋は、養蚕所として使っていた2階部分を取り除き、開放的な空間に仕上げ、土間には大村家住宅を紹介する展示スペースを設置したほか、セミナーやワークショップ会場として利用できる6〜8畳の4つの和室を設けた。
また、土蔵の1階は、約10人が利用できるシェアキッチンとして整備。2階は県外在住の移住・定住希望者を対象にした短期滞在型施設「お試しハウス」として活用するため、16畳の和室とキッチン、洗面所、トイレを新設した。
大村博士は本紙の取材に対して、「母屋の2階部分がなくなったことで広々とし、天井の圧迫感がなくなった。より良い環境で研修や勉強会を開いてもらい、趣味や学問の研さんに励んでほしい」と語った。
母屋やシェアキッチンの利用料金は市民が4時間500円(市外は1500円)で、営利目的の場合は4時間1500円(4500円)となっている。問い合わせはTEL23・7775まで。