くらし

命名の大切さを伝える

七月十二日、大泉町の金田一春彦記念図書館で、第二回「土曜ことば楽(がく)」と題した特別講座が開かれた。

この講座は、今年四月に金田一春彦記念図書館の名誉館長に就任した金田一真澄氏による特別講座で、図書館を情報発信の場として利用できないかと考え、地域貢献の目的で行われた。

当日のテーマは、「命名は名に命を授けること―ことばには力がある―」。金田一名誉館長は、牛若丸を例に挙げ、平安時代に見られた、幼児への嫉妬を避けるために丸などの悪い名を付ける習慣を取り上げ、日本古来の人名に関する習慣を話した。また、光宙(ぴかちゅう)などのキラキラネームを紹介し、現在の命名事情も語った。

さらに、物事の名称が社会に与える影響について、暴走族などの例を挙げ、名は実体を連想させるため若者にとってかっこいいイメージのある暴走という名を付けるのは、良くないと説明。実際、二〇〇九年から沖縄宜野湾警察署で取り組んだ暴走族を「ダサイ族」とぶ活動を紹介した。

質疑応答では、「今世間を騒がせている脱法ハーブの名が、あまり良くないのではないか」という質問が上がり、金田一名誉館長は、「脱法ハーブは、法を免れるという意味合いがあり、比較的軽いイメージを与えてしまう。麻薬のように、危険性が強く感じられる名にしたほうがいいですね」と話した。