岩絵の具の特性学ぶWS
鉱石からつくられる「岩絵の具」を使って美術の創作の楽しさと魅力を伝えようと、韮崎大村美術館は、11月7日、市内中学校や高校の美術部員と顧問などを対象にした講演とワークショップ「先端技術が開く日本画天然岩絵具の新展開」を神山町の神山公民館で開いた。
この講演会とワークショップは、岩絵の具と岩絵の具の製造過程でできる「粉」の仕組みを学び、実技を通して岩絵の具の特性を理解するもので、今年初めて開かれた。
当日は、大阪大学接合科学研究所の内藤牧男教授や女子美術大学の橋本弘安名誉教授など3人を講師に迎え、中学生や高校生、一般の22人が参加した。
講演では内藤教授が岩絵の具のもととなる「粉」の汎用性について紹介し、「粉は水や空気と同じように重要なもの。現代にあるセラミックや人工骨、リチウムイオン電池など、様々なものが粉を加工し、固めてつくられている」と説明。
また、微粒子にした粉は、「ものに付きやすくなる性質がある」とし、「チョークは粒子が細かいため黒板につきやすい」と述べ、「岩絵の具は細かくすり潰すか、粗く削るかで、絵の表現方法が変わってくる。粉を理解して、表現の幅を広げてほしい」と語った。
続いて、市内で採取した石を使った岩絵の具づくりが行われ、参加者たちは橋本名誉教授の指導の下、専用キットで石を砕いて、すり潰し、水のりと混ぜて仕上げ、はがきに思い思いの絵を描いたほか、岩絵の具を使った染色技法も体験し、美術に触れる貴重な1日となった。
県立韮崎高等学校美術部の河合なるみ部長は、「石を粉末にして、岩絵の具にしたとき、想像と違う色合いが出来て驚いた。石の一つひとつに個性があることを知り、岩絵の具を使った日本画に挑戦したみたいと思った」と話した。
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