大村美術館でギャラリートーク
韮崎大村美術館(大村智館長)で開催中の開館15周年記念企画展「女性画家のやまなみ」に関連して、9月17日、ギャラリートークが開かれ、堀内洋子副館長が近代から現代にかけて描かれた展示作品の特徴などを紹介した。
この企画展は、同美術館が15年間で開催してきた企画展のなかで、人気が高かった作品を選んだもので、女性画家43人の風景画や静物画、抽象画など、51点を展示している。会期は11月27日まで。
当日は、県内外から15人が参加し、堀内副館長は、「作品それぞれに作家の思いがある。視覚で作品を味わうだけでなく、作家がどんな思いで描いたかという背景を知ると、さらに作品を楽しめる」と語った。
日本画家の郷倉和子さんの絶筆作品「宙富士梅花(そらふじばいか)」については、「両親を亡くした郷倉さんに生きる勇気や希望を与えたのが一輪の梅の花だった」といい、102歳で亡くなるまで梅の花をテーマに作品を描き続けていたことを紹介した。
また、日本画家の堀文子さんの作品「雪嶺」は、「(堀さんが)好んで使っていた紅色の顔彩が他の顔彩と比べて減っていたことに気付きながらも、88歳という歳と寿命を考え、新たに購入せずに多く残ったほかの顔彩だけを使って描いた作品」と説明し、絶筆作品では残りの紅色の顔彩を使って紅梅を描いたと語った。
穂坂町から参加した横森立子さん(65)は、「人気の作品が一堂に展示されていて圧巻だった。年代にもよるが、女性が軽視されていた時代に信念を持って認められる作品を描いてきたという生き様を学んだ」と話した。
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