韮崎エリア

平和の大切さと戦争の悲惨さ伝える講演会

 平和の大切さと戦争の悲惨さを後世に継承することを目的にした講演会「戦争の実相を知り平和の大切さを考える」(韮崎市非核平和事業実行委員会主催)が、8月11日、韮崎市民交流センターニコリで4年ぶりに開かれ、市民15人が参加した。

 この講演会は、8月15日の終戦記念日の前後に行われているもので、今回は穴山公民館の館長でNPO法人日本国際ボランティアセンター理事の清水俊弘さんを講師に迎え、「いまを『戦前』としないために、わたしたちができること」を演題にした。

 清水さんは、ロシアによるウクライナ侵攻などを理由に日本政府が防衛費増額を閣議決定したことを踏まえて、国内では「戦争が起こるのでないか」という空気が広がっていると語り、今、私たちができるのは、国民一人ひとりが主権者だと自覚し、政治に対して自らの声を上げることだと話した。

 また、新聞やテレビ、SNSなどの情報を一方的に見るのではなく、情報が偏っていないか精査する目を養うことや戦争をしている国ではなく、その国民に心を寄せることが平和への行動につながると語った。

 まとめでは、現在、日本国際ボランティアセンターで日本と北朝鮮の大学生同士による「日朝学生交流」を行っていることに触れ、この活動を参考に市内公民館の生涯学習事業の一環として、地域に住む外国人との交流や国際協力機構(JICA)の職員を講師にした国際理解講座などを開くことで市民にも平和を考えるきっかけになると提案した。

 円野町から参加した野田美千子さん(74)は、「世界に目を向けると今も紛争や戦争が行われている。簡単なことではないかもしれないが、国と国ではなく、人と人が理解し合える世界になること願っている」と話した。