多文化共生の地域考えるトークイベント
市民が市内在住の外国人との違いを認め、ともに生きていく地域をつくることを目的にしたトークイベント「どうなる⁈どうする⁉︎シン・韮崎多文化共生社会」が、3月10日、韮崎市民交流センターニコリで開かれ、約80人が参加した。
このトークイベントは、韮崎市在住の外国人が2015年度以降増加していることから、日本人にも外国人にも住みやすい地域にするため、NPO法人河原部社(西田遥理事長)が2部構成で企画した。
第1部は、明治大学国際日本語学部の山脇啓造教授を講師に迎え、「多文化共生社会に向けて〜共に生きるまちづくり」をテーマにした基調講演が開かれた。
山脇教授は、「外国人と日本人の間には言葉や文化、習慣などの違いから、地域社会で摩擦が生じやすい」と話し始め、国では増加する外国人移住者への対応として、コミュニケーション支援や生活支援などの支援策を進めていると説明したうえで、「国の施策も必要だが、地域の人たちが外国人を受け入れる社会をつくるため、まずは認めていくことが大切」と話した。
第2部では、山脇教授や内藤久夫市長、フィリピン人と日本人のハーフで富士見在住の岩崎レイさん(17)、河原部社の篠原健志さん(25)による「日本と外国での多文化共生社会の違い」をテーマにしたトークが行われた。
まず、岩崎さんは、「引越しの際に外国人だからという理由で入居を断られたことがあった」と語り、山脇教授は、「全国的にも家探しによる問題は多くある。共生社会を進めるうえで、行政と企業が連携して改善していかなければいけない問題」と答えた。
また、篠原さんは留学していたオーストラリアで、知人が永住権を取得した際「永住権取得パーティー」が開かれ、市長や地域住民から祝福されていたことを紹介し、「地域の一員として認められているという空気があった」と話した。
内藤市長は、「姉妹都市や友好都市との交流を深める事業を進めていくことや、災害時に自助共助を進めるうえで外国人向けの防災訓練を計画することも必要」と語った。
最後に山脇教授は、「このイベントには多文化共生社会に関心のある人が集まったと思うが、そうでない人へのアプローチをどうしていくかが重要」といい、子育て支援センターでの外国人の保護者による多言語の読み聞かせ会を開いて接点を広げていくことや、移住相談窓口などで外国人への対応ができるようにすることなどを提案した。
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