くらし

ヘリング最後の大作を初公開

平成二年二月に、三十一歳の若さで他界したキース・ヘリングの作品を収蔵・展示している「中村キース・ヘリング美術館」(中村和男館長)では、「カオス・トゥ・ホープ(混沌から希望へ)」と題し、ヘリングが亡くなる二年前に手掛けたという最後の大作「無題・1988年8月15日」が初公開されている。

今回の展示では、キース・ヘリングの人間像にスポットを当て、メモに残した作品を拡大した「ブループリント・ドローイング」や、学生時代に残した言葉と映像の作品、サブウェイドローイングにたどり着いた時代の作品。そして、成熟期に入ったヘリング作品で、HIV感染が明らかになる前と後での作品の違いが紹介されている。

また、日本に滞在した昭和五十八年と六十三年の活動の様子と当時の出来事を紹介する「キースと日本」をテーマにした展示も同時に行われている。

一方、同美術館では現在拡張工事が進められているが、工事中の囲いを使い企画展「キュレターズセレクション」の一環として、キースへリングを紹介する壁画とグラフィックアーティストのKAMI氏による壁画作品が紹介され、美術館全体がアートに包まれている。

入館料は千円(学生八百円、小中高生六百円)。問い合わせは☎36・8712まで。